竹谷八左ヱ門夢
『うさぎさんと一緒』


うさぎ耳&うさぎの尻尾プレイです。
苦手な方はご注意ください。





 頭に甘い痺れが走る。
 身体の奥深いところが熱く疼いてる。はっちゃん、と名を呼ばれて、目の前の温もりに腕を伸ばす。
 引き寄せた華奢な身体を組み敷いて、その首筋に口付けた。

「は、はっちゃん……や、だ……もう入れて……」
「あと少しな。まだ慣らしてないだろ」

 の目にはもう涙の膜が張られている。それがいつ零れ落ちるだろうかと思いながら、柔らかで温かなの身体に次々に愛撫を落とす。胸元に顔を埋めてべろりと舐め上げただけで、ひう、とまるで泣き声のような喘ぎが漏れた。
 触れているの鼓動がすごく早いのが分かる。興奮してるのか。そう思うと、こっちもさらに熱が上がる。



『はっちゃん、私発情しちゃった』

 潤んだ赤い目で、身体をすり寄せられた。の頭には、思わず触りたくなるようなふさふさとしたうさぎの耳が二本生えている。俺の前で自ら脱いでさらけ出した肢体には、その尻にこれまたふわふわした白いうさぎの尻尾がついている。
 ああそうだ。はうさぎだったな。だからすぐ発情するんだ。それを思い出して、の頬に手を伸ばした。軽く撫でてやると、はゆっくりと上目遣いで俺を見る。

『はっちゃんが、すごく欲しいの』

 好いた女にそう言われて、断われる男なんているもんか。少なくとも俺には無理だ。



「も、いいから……慣らさなくていいから早く入れて……」

 俺の頭をぎゅっと抱え込んで、が言う。懇願する声に、ぞくっと嗜虐心が湧き起こる。さっきからはふとももを擦り合わせてもぞもぞと腰を動かしている。早く奥に刺激が欲しいんだろうと分かっていたけど、もどかしそうにしているが可愛くて、もう少し堪能したいと思ってしまう。

「だめだろ。慣らさなかったら辛いのお前なんだから」
「は、はっちゃんのいじわる……、っん」

 胸元から顔を上げ、視線を合わせての唇に軽く口付ける。欲情してるはすぐに両手を伸ばして俺の頬を引き寄せ、舌を強く絡めてくる。その熱い舌の感触と味に、貪るように吸い付いた。
 口付けたままの背を浮かせて、ゆっくりと背から腰元に手を這わせる。汗ばんだの肌が、俺の手が触れるたびに小さく跳ねる。絡めた舌さえ手の動きに合わせて震えていて、全身で欲しいと言われてることにますます頭が熱に染まった。
 やがて手が腰元にたどり着いた瞬間、それまでよりも大きな動きでが反応した。腕の中の身体がびくんと震えて、ようやく気づく。ああ……そうだった。
 絡んでいた舌を離し、軽く額や頬に口付けながら、さっきが反応した場所をゆっくり握る。

「ひゃっ……あ! はっちゃ……!」

 途端に鼻にかかる甘い声。はぎゅっと俺にしがみついて、なんとか身体の痺れをやり過ごそうとする。ふるふる震えている睫に涙の粒が光っていて、煽られて無意識に自分の唇を舐めた。

「尻尾、こうすると気持ちいいんだろ?」
「ん……うん、きもちい、けど……、やっ、ぎゅって握っちゃやだ……!」
「だって、気持ちいいんだろ?」

 耳元で囁くと、とうとうの目から涙がこぼれ落ちた。手の中のふわふわしたうさぎの尻尾はの急所であり性感帯で、握ってしまえばもうほんとにうさぎみたいに小さく喘ぐだけだ。しっとり汗ばんだの肌もいいけど、触り心地のいい尻尾に触れているのも心地いい。
 は、荒い呼吸で俺の肩に顔を埋めて、必死に快感に耐えようと小さく頭を振る。そのたびにうさぎの耳が頬に触れて、そのくすぐったさに支配欲が満たされる。
 だってこんな姿、俺しか知らない。尻尾だって急所だから俺にしか触らせない。ぜんぶ俺のだ。そのことに、目眩がするほどの満足感が襲う。

「も、もう無理、やだはっちゃん、我慢出来ない……!」

 強く尻尾を握り込んで指で扱き上げた瞬間、悲鳴のような懇願が漏れた。赤い目はぼろぼろ零れる涙に濡れていて、白い喉からはひっきりなしに喘ぎが零れる。


「い、いじわるしないで、はっちゃんがほしいの。おねがい……も、もうやだ、辛いの」

 はっちゃんがほしい、と幾度も繰り返して、はすすり泣いて懇願する。その様子に少し胸が痛んだ。いじめすぎた。
 それに、俺ももう限界だ。このままだけ昂ぶらせ続けるのも楽しいけど、それより先に俺のほうが耐えられなくなる。

「ん……ごめんな

 の熱い頬に口付けて涙ごと舐めると、の瞳が安堵したように細められる。触れるだけの軽い口付けを落として、の太ももを押し開いて顔を下ろした。

「はっちゃん……」
「すげえ濡れてる」
「や、恥ずかし……っあ、はっちゃ……!!」

 のそこはもうぐしょぐしょに濡れていた。ここにはわざとずっと触れていなかったから、すごく敏感になってるはずだ。左右の襞を広げて赤く熟れてる肉芽を露出させただけで、はぎゅっと俺の髪を掴む。
 一度べろりと舐め上げて舌にの味を満たして、それに優しく吸い付いた。
 ぞわり、との全身が震えた。急な刺激に咄嗟に足を閉じようとするのを、やんわり阻む。
 一気にの体温が上がる。肌が薄桃色に染まり、さらに上気した頬にはまた涙が零れていく。『きもちいい』という単語以外意味のない喘ぎだけが次々落ちて、俺の耳に届く。
 ぷにぷにした弾力のある温かな肉。落ちていく蜜を舐め上げ、舌を擦りつけ、丁寧に飴を舐めるように口の中で愛撫する。そのたびにまた中から蜜が溢れ、太ももをとろりと伝っていく。
 俺が触るだけでこんなに反応してくれるのが、すごく嬉しい。少し強めに肉芽を吸い上げながら、もうひくひくと震えだした入り口にそっと指を差し込むと、熱いそこはまだ指一本だけなのにきゅうきゅう締め付けてきた。
 すぐに二本に増やして、中をかき回す。が好きなざらりとした場所を指の腹で擦り上げると、の足がびくんと強張った。

「ん……、イきそうか……?」
「……っは、……はっちゃ、もうだめ……」
「イッていいから」

 もはや羞恥が抜け落ちたように、の赤い瞳はとろんとしている。快楽に染まってびくびく震える身体が、もうすごく熱い。
 俺もの甘い匂いと味に頭がぼうっとしていて、達しさせてやりたい一心で、夢中で濡れた陰核にしゃぶりつき、中を指でかき回した。

「……っ、はっちゃん、……きもち、いいよ……」

 はもう息も絶え絶えで、喘ぎと言うよりも呼吸のついでに漏れる甘い声の切れ端にしかなっていなかった。
 イクときの直前の癖での手がぎゅっと俺の首筋に爪を立てたとき、口の中の柔らかな肉を吸い上げながら甘噛みした。同時に空いた手でぎゅっと尻尾を掴んでやると、びくんっとの腰と足が強く跳ねる。
 そのまま、がりっ、と首筋に柔い痛みが走り、組み敷いた身体から一気に力が抜けた。

 の呼吸が落ち着くまでは待ってやれなかった。下腹から全身を巡る熱さが、さっきのと同じでもう限界だと告げている。をうつ伏せにして腰を上げさせ、まだ絶頂の余韻に震えているそこに、奥を目指して一気に突き入れた。

「……ふぁっ、あっ、ああああ……!」

 あれだけ焦らしたからか、イッたばかりだからか、の中はいつにも増して熱く狭く、気持ちいい。絡みついてくる肉襞のひとつひとつが、もっと奥へと誘うように締め付ける。の腰を引き寄せてぎりぎり最奥まで押し込むと、子宮口にこつんと触れて、の背中がぞくぞく震える。

「っ……すげえ熱い、の中」
「……はっちゃんの、も……熱いよ……」

 赤く染まった首筋に吸い付きながら囁くと、幸せそうな声と共にくたりとの身体が布団の上に落ちる。もう自分の身体を支えることも出来ないのだろう。ぎゅっと後ろからを抱き締めて、ゆるりと腰を動かす。

「っあ、あ、……は、はっちゃ……」

 ぐちゃぐちゃと繋がり合うところから水音が響く。それが恥ずかしいのか、顔を敷布に押しつけてしまうを少し強引に後ろに向かせて、唇を重ねた。呼吸まで共にするように深く口付けると、上も下も二カ所でと結び合って、まるで一つになったような錯覚が起こる。
 出来る限りの好きなところを攻めながら、唇を吸い合う。息が苦しいだろうに、は呼吸の度に「はっちゃん」と俺の名前を呼ぶ。もう意識なんてほとんどないはずなのに、それでも俺を呼んでくれるのがすごく嬉しかった。
 口付けを解いて、突く度にぼろぼろ零れる涙を舌で拭う。目尻を吸い上げたとき、ふわりと額にのうさぎの耳が触れた。
 いつもふわふわと柔らかそうなそこは、今は自身と同じでふるふると小さく震えている。それになんだかすごくそそられて、今一度を腕に閉じこめるように組み敷いて、腰の動きを止めないままに白い耳に手を伸ばした。

「っあ! ……あ、みみ、だめ……」
「すげえ、ぎゅって締まった。ここも気持ちいいんだ」
「ち、ちから抜けちゃうから、……あ、あうっ、んー……っ!」

 細かな産毛に手を沿わせながら、その根元に舌を這わせて吸い上げる。舌に伝わるどくどくしたのうさぎの耳の脈打ちが、繋がった箇所から感じるそれと全く同じで、当たり前なのに、そのことにぞくっと昂ぶった。
 右の耳も左の耳も、優しく撫でたり吸い上げたりぎゅっと握ったりしていると、の呼吸がすごく荒くなってきた。それでも手を止めずにいると、突然に振り向いた真っ赤な目が、懇願するように俺を見上げた。
 やりすぎたか。
 悪い、と咄嗟に言おうとしたとき、が口を開く。

「イッちゃう……から」

 次に響いたの声が、脳に溶けた。

「こんどは、はっちゃんの顔見て、イキたい」
「っ……」

 一瞬で頭が熱に染まった。
 突き動かされる衝動に、一度引き抜いての身体を仰向けにして、声もかけずにまた押し込んだ。の背に腕を差し込んで引き寄せ、隙間がないほどに身体を密着させて、気遣うことも出来ずに勢いよく揺さぶる。も俺の首に腕を回して、頬と頬を擦り寄せる。

「っあ! ……あ、は、……きもちいい、す、ご……く」

 耳元で上げられる嬌声が、理性を剥ぎ取っていく。俺もすげえ気持ちいい。の中も、苦しげな吐息も、名を呼んでくれる声も、汗ばんだ肌も、全部今は俺が独占していると思うと、その満足感に本当に脳が焼き切れてしまいそうになる。一人では絶対に感じられない、繋がりの心地良さがたまらなくて、びりびりと手足の先まで震えが走った。
 の頭を撫でながら、最後の高みを目指してさらに強く腰を動かす。の指が、救いを求めるように頼りない動きで、俺の首筋に爪を立てた。
 顔を見てイキたいと言われたことを思い出して、の額に自分のそれを押しつける。もともと赤いのに、泣き腫らしてさらに赤く染まったの瞳が、俺を映す。は少し遅れて俺と目が合ったことに気づくと、嬉しそうに小さく笑った。

「好きだ、

 思考がゆっくり解けていく。もう本能のままに求め合うことしか出来ない。気持ちいい。満足感と幸福感に、今死んでもいいなとぼんやりと思う。
 腰が溶けそうなほどの快感の奔流に飲まれながら、に好きだと囁くと、も快感に浮かされた表情で、うん、と微笑む。の身体が震え出す。首筋に慣れたの爪の感触が走った瞬間に、俺も目の前が白く染まり、の中に欲を吐き出した。



「はっちゃん、私も」


 はっちゃんのことが、と。

 甘えるようなの声が、なぜか遠ざかってしまう。

 ──きだよ、と囁かれたはずの声は、結局俺の耳には届かなかった。

















■■■



「…………っ!」

 がばっと勢いよく身を起こすと、全身が汗に濡れていた。二秒ほどなにが起こったのか分からず困惑した後、鼻を掠めた嗅ぎ慣れた臭いに、全てを悟った。


 夢 か よ !


 日が昇りきっていないのか、まだ部屋の中は薄暗い。隣で同室のやつがぐーかーといびきを立てて眠っている。もちろん俺の傍にはおらず、本物のにうさぎの耳も尻尾もなく、そもそも俺とは恋人同士でもなければただの俺の片恋なのだということすらも、今の俺はきちんと理解している。

「…………うっわー…………」

 身体から力が抜けて、どさ、と布団に頭を押しつけた。
 夜着の下、褌の中がべっとりと濡れていて気持ち悪い。確かに最近抜く機会がなくて溜まってはいたけど、まさかあんな夢を見てしまうほどに飢えていたのか。

「発情期のうさぎって俺のことじゃん……」

 恋仲でもない相手を夢の中とはいえ好き勝手にしてしまったことに、今更ながらに背にずしんと後悔の二文字がのし掛かってくる。
 ああ、ああ、そうだ。昨日が飼育小屋に手伝いに来てくれて、うさぎ小屋の掃除をしてくれて、うさぎって可愛いよねと微笑むの腕に抱かれたうさぎが羨ましくて妬ましくて、ああどうせならいっそにうさぎの耳と尻尾が生えてたらすげえ可愛いだろうなあと妄想したさ。ああしたさ。
 だからってない、これはない。ほんとない。

 ぐっちょぐちょの自己嫌悪に塗れながら、俺はようやく気だるげな身体をのろのろと動かして、後始末をしようと起き上がった。













 こっそり洗濯してやろうと思ったのに、洗濯場で双子のように似た同級生に見つかってしまった。一人は察したのかなにも言わないでいてくれたけど、もう一人はニヤニヤとした顔で覗き込んできた。

「なんだ八左ヱ門、昨日は激しかったのか? 夢の中で」

 むかつくから、洗っていたそれごと三郎の顔に叩きつけてやった。












 終われ。